田城讓弁護士インタビュー 人と企業の安心と発展のため、ふところ刀として貢献します。

—「人情派弁護士」と呼ばれているエピソードを教えてください。
従来からの興味深い話もあるのですが、まだ記憶に新しい最近のお話をあげてみます。
以前、年配の女性が、自宅マンションの前で、タクシーに轢かれ亡くなった事件を扱いました。刑事事件記録によると、加害者であるタクシー運転手の証言に基づいて、被害者が赤信号で横断歩道を渡ったことが事故の原因とされていました。被害者の家族が、勝手の判った自宅前で、慎重な人がそんな事故に遭うことはあり得ないと訴えても、刑事事件記録に縛られてどこの弁護士事務所も自賠責の請求をすること以上には取り合ってくれず、回りまわって私のところへやって来られました。
—ご家族から依頼を受けたときどう感じましたか。
お話を伺っていくうちに、刑事事件記録だけで判断されて、遺族としてはさぞ残念な思いだろうと感じました。被害者が亡くなっている事件では、加害者と目撃者の証言しか判断出来るものがありません。このケースでは、直接の目撃者が無く、加害者の証言だけがきわだっていました。しかも、交通事故の場合、現場での検証が大きな意味を持つのですが、それが十分になされているとは思えなかったのです。慣れている自宅前の横断歩道ですし、交通量が多く片側3車線もある幹線道路を、赤信号で渡るなんてあり得ない、というご家族のお気持ちを察して、やれるところまでがんばりましょうとお引き受けしました。
—それからどのように活動したのですか。
事務所の弁護士と、事故のあった深夜の時間帯に、何回も現場に行きました。私は、現場へ行き、様々な事故の状況を想像することにより、何かが見えてくる場合があることを何度も経験しています。被害者の女性の歩き方を想像して横断歩道を渡る、車を運転して加害者のタクシーと同じ走行経路を何度も走り、実際に横断歩道を通過するなど、所員と二人で役柄を入れ替え、話し合いながら、何度も再現してみました。 

現場での再現結果はどうなりましたか。>>(2/4)

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