田城讓弁護士による法律コラム 交通事故や相続問題、離婚問題やその他、法律に関するコラムをご紹介。

昏睡状態の間に被害者が加害者にされてしまう不幸

交通事故

交通事故の法律相談を受けて、もっと早く相談にきてくれればよかったのにと思うことはしばしばあります。青信号で交差点に進入したところ、赤信号を無視して進行してきた車に衝突された。 青信号で交差点を進行したところ、対向車線の車が強引に右折をして衝突された。直進車は高速で進行しているために、こういった事故の場合運転者が瀕死の重傷を負うということは少なくありません。

直進車の運転者が重傷でICUで集中治療を受けた後も、数か月間昏睡状態が続いている間に、相手方の運転者が自分が青信号で進入したと、事実とは異なる嘘の供述をし、相手方運転者だけが立ち会って実況見分が為されてしまうということは起こり得ます。

重傷で意識もないまま治療を受けている間に、事実と違うことが、あたかも真実とされて、被害者が悪者にされてしまうのです。相手方も怪我をしている場合には、正に被害者が加害者の立場になってしまうわけです。

実況見分は、本来両当事者が立ち会って行われるものですから、片手落ちというしかないのですが、被害者が立ち会いも、供述もできない状態ですから虚偽の事実が真実としてまかりとおってしまうのです。

被害者が意識を取り戻し、事実を語れるようになった後時間を置かず、弁護士が関与することができれば、被害者側の立ち会いも無く、供述も得ていない状況が間違っている事を指摘し(その指摘の方法は、弁護士によって種々あると思われますが)、被害者の記憶に従った事故状況の報告書を作成し、また目撃者の発見を進めるということも可能ですから、少なくとも被害者が一方的に悪いといった事実に反することが、その後もまかり通ることを防ぐことができます。

しかし、この初期対応が遅ければ、最悪の場合には警察での処理が終わってしまい、事件にもならず、被害者側の立証が著しく困難になってしまいます。

私の経験では、被害者本人が病室から電話をしてきたこともありますし、被害者が病室から友人に電話をして、その友人からすぐに私の所に相談があったこともありました。

できるだけ早い段階で相談を受ければ、その後裁判所で争うこととなっても使える証拠を可能な限り準備することができます。
こういった事故の被害者のご家族は、できるだけ早く弁護士に相談されるようにして下さい。

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