田城讓弁護士による法律コラム 交通事故や相続問題、離婚問題やその他、法律に関するコラムをご紹介。

お金の貸し方

その他

【Q】私は36歳の会社員で、弟(既婚)が店(ベーカリー)を持つことになり、500万円の出資を求められています。 弟は月々返済してくれると言っています。私は、結婚と家を買うために貯めた貯金が1,000万円以上ありますから、弟のために出資しようと思っていますが、弟とはいえ、大金を貸すことになるので、きちんとしておきたいと思います。どのように対処すればよいでしょうか?

【A】まず、資金計画や事業計画を明らかにしてもらい、将来的な経営について判断できる材料を示してもらいましょう。会社や商売人の間で出資を検討する場合には、資金計画を明かにすることは当たり前のことです。具体的な資金や事業の計画も示せないような商売ならば、出資することを思い止まったほうが無難だと思います。

往々にして他人だったらシビアに考えるお金の貸し借りも、兄弟であるがゆえに、ラフに考え融資してしまうケースが多くあります。弟が返済できなくなった場合を考えて、他の債権者より不利にならないように、弟の財産状態(不動産を持っているかなど)も明確にしてもらうとよいでしょう。不動産があれば、場合によっては抵当権を設定する事もできます。

また、弟の奥さんに連帯保証人になってもらうことも必要だと思います。最も近い関係の奥さんが連帯保証人になることを拒否するような場合は、商売を続けて行くことに疑問が残ります。お金を貸すことを再考したほうがよいかもしれません。

お金を贈与するのではなく、いざというときには回収を望むのであれば、とにかく貸す段階で法的に有効な書類を作成するなどして、きちっと対処しておくことが必要です。公証役場に、債権者(兄)と債務者(弟)が2人そろって出向き、公正証書で借用書を作っておくと効果的です。借金が返済できない場合には、改めて裁判を起こして判決をとらなくても、最悪の場合、店の備品を差し押さえたり、いろいろな強制執行手続が可能になります。

とはいえ、言いたいことを言えず、書類などを作成することができない場合も多いと思います。その際、自分の財産状態と、貸す金額のバランスを今一度考えてみてください。考えた上で、何も手を打たずに無条件で貸すのなら、例え失っても自分が経済的に破綻するような事が無い範囲でお金を貸すようにしてください。とにかく弟、親戚、他人にかかわらず、返してもらう前提でお金を貸すのなら、最悪の場合を考えて、貸す時点でやるべきことをしておくということを心がけて下さい。

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