田城讓弁護士による法律コラム 交通事故や相続問題、離婚問題やその他、法律に関するコラムをご紹介。

中小企業が抱えるリスク(不動産編)

中小企業顧問

不動産リスクの回避は、どのような企業経営においても常に考えておかなければならないものです。 商品の販売、あるいはサービスの提供においても、ビジネスの発展のため、常により良い立地、内容の商業施設を求めて出店計画を立てていますし、会社の本拠地である事務所についても移転、増設計画は日常的に発生しています。

従来の不動産賃貸借契約は、賃料、契約期間を重視してそれ以外の起こり得るであろうリスクについては、抽象的な条項を設けて、場当たり的に当事者が誠意を持って解決するといったものが主流だったと思います。

しかし、優良な商業施設の場合には、貸主も立場が強く法的な管理も厳重で、契約書も詳細に検討されたものが用意されていることが多いのです。

私たちが、顧問先のビル管理会社の立場で契約書を作る場合も、従前のトラブルの発生を踏まえて、貸主側の利益保護を中心にして契約条項を吟味することはもちろんです。

借主の立場になり、契約の前段階で、この契約書を充分に吟味すること無く店舗の新規出店ばかりに注意を払っていると、開店後様々なトラブルに遭遇することになります。同フロアーの他の店舗と業態が違いすぎることによるトラブル(居酒屋とエステが隣り合っているとか)、施設の機器あるいは管理から生じた店舗運営のトラブル、店舗のフロアー内の移転の強制、商業施設の核となる大型店舗の廃業による立地の変更(デパートが撤退してパチンコ屋が入店するなど)、ありとあらゆるトラブルが発生してくるものです。

これらは、従来モデルの契約書であるなら、まさに協議により解決すべき事項ということになりますが、詳細な契約書の場合にはこれらのリスクを盛り込み済みであり、しかも常に貸主有利に条項が規定されているものです。

では借りる側としてはどうすべきなのかですが、契約締結前に契約書の慎重な検討が必要であり、不利で受け入れられない条項は廃止、あるいは変更の必要がありますし、借主側で要求すべき条項の提案も重要です。

どうしても譲れない条項は、出店を控えることも考慮しながら貸主と協議することが避けられません。

出店後トラブルが発生した時には、最悪の場合には訴訟も視野に入れて契約条項に基づいて対応を検討してゆくことになります。その場合、客観的な証拠が必要なケースでは、数字に関することは税理士、建築物の瑕疵に関することは建築士といった専門家に調査、レポートの作成を依頼しなければならないことも少なくありません。

私たちは、税理士や、建築士といった専門家と常に連携できる体制にありますので、調査、証拠の作成にも充分な対応が可能で、弁護士としての業務の充実をはかるようにしています。

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